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2013年1月29日 (火)

五味康祐さんのタンノイ・オートグラフを聴きにいった

練馬区役所では、五味康祐さんのオートグラフを保管していて、年に4回ほど、レコードコンサートを開いている。
それで去年の夏の終わり頃に申し込んだのだが、落選。
「やっぱり練馬区民優先なんだろうな」と思いつつ、次の回も申し込んだら、あっさり当選。練馬区は温情深いお役所です。

当日、満を持して練馬区役所を訪ずれる。
練馬区役所に行くのは初めてだが、以前、中野や板橋あたりに住んでたことがあって、練馬市役所が面している目白通りのこのあたりもよく通っていたので、なにか懐かしい。

区役所の1階ロビーの受付で名前を告げて、会場となる会議室に案内してもらう。
練馬区役所の土日も区民サービスをやろうという意欲が素晴らしいです。

会場に入る。こんな感じ。

Photo

機材は、レコードプレーヤーがEMTの930ST、カートリッジもEMTのTSD-15、プリアンプがマッキントッシュC-22、パワーアンプがMC-275。スピーカーはもちろんタンノイ・オートグラフ。

司会の方の話によると、このレコードコンサートは人気があるらしく、抽選倍率は5倍くらいとのこと。

コンサートがスタート。
この日は「民族と音楽」と題して、第一次世界大戦頃の東欧の小国、ハンガリーやチェコ、ポーランド出身の「国民学派」と呼ばれる音楽家の作品が紹介された。
こうした音楽家は、大国ドイツやオーストリアに侵略され、祖国を失うという現実に直面して、民族意識の強い作品を数多く作曲したらしい。
たしかに、いわゆるクラシックのイメージとは少し違い、ジャズ系のようなビートはないのだけど独特のリズム。ともするとヨーロッパをひと括りで捉えがちだが、様々な民族が集っていることを実感。

音はというと、さすが大型スピーカー、スケール感が違うが、ただ正直、ハイ上がりな音。
写真でもわかるように、市役所の会議室だからしょうがないが、電源がチープだし、会議室の制約からオートグラフがコーナーにしっかりセッティングされていなくて、そのあたりが影響してると思われる。
ただそれでもピアノを聴くと、木質の感じが伝わり、タッチのひとつひとつが目の前に浮かび上がる。不思議。このあたりがハイエンド機のハイエンド機たる所以か。

ちなみにレコードも五味さん所有のものらしいが、そのなかに、菅野沖彦先生が録音を担当したというフルオーケストラのアルバムがあって、これは倍音成分が芳醇に響いて気持ちよかった。

五味さんは著書「オーディオ巡礼」のラヴェルの項で、「同じアンプ、同じスピーカーやカートリッジを使用した訪問先で、まったく別様な音色が鳴っているのを幾度私は聴いてきたろう。」と書いている。
なのできっと、今日聴いた音は、五味さんの使っていた装置の音ではあるが、五味さんがかつて鳴らしていた音とは違うのだろう。そう思うと、主を失ったオートグラフがどこか寂しげにもみえてくる。

家に帰って、久しぶりに数枚しかないクラシックのCDを聴いた。
オートグラフに負けないよう、ヴォリュームをできる限り上げて。
「やせ蛙 まけるな一茶 これにあり」の心境で。

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